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カメラが好きな人に見て欲しい映画 横道世之介

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Amazon prime videoにあるのを見つけ、一度見たことがあったのですが好きな映画だったのでもう一度見てみました。

同じ映画でも見るたびに違う感想を抱くことはままあると思います。

カメラにはまって写真を撮ることが趣味になってから見る横道世之介*1は、初めて見たときとは一味違う映画になっていました。

 

横道世之介という映画がどんな映画かを説明するのは少し難しいです。

概要だけを説明すると「長崎から上京した大学生がサークルにバイトに恋に、青春を満喫しながら成長譚」とでもなるのでしょうか。

横道世之介という少し変わった名前の大学生が、バブル期の東京をゆるやかに、そして軽やかに過ごす日々を160分かけて丁寧に丁寧に描かれています。

2013年公開の映画なのですが、ザラついた映像がノスタルジーを感じさせます。*2

 

ここから少しネタバレです。

 

 

 

 

 

160分の映画の中で世之助がカメラを初めて手にするのは140分を過ぎたあたりです。

それまで、周りに流されてふわふわ生きていた世之助が初めて自分の意志で始めたのがカメラであり、写真を撮ることでした。

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キヤノンレンジファインダーです。

カメラを手にした直後、レンズキャップを付けたままファインダーをのぞいてはニヤニヤしている世之助が本当に愛おしい・・

 

この映画のハイライト、もちろん見る人それぞれで違うと思うのですが、自分にとっては間違いなくラストシーンの長回しです。

世之助は恋人の祥子が海外に留学するために空港までバスで向かう姿を見送ります。

旅立つ祥子に、世之助はこう言われます

「世之助さんの写した写真、最初に見せていただけません?世之助さんの作品を見る最初の女になりたいんです」

祥子の姿を見送った後、世之助はカメラを携えて歩き出します。

偶然後ろにいた子犬、自転車に乗ったおばさん、あくびをしているおまわりさん、目についたものをとにかく写真におさめていきます。

下校途中の女子高生のグループは・・見守るだけでシャッターは切らないです。これはなんとなく共感できます笑

そして、風にのって散る桜の木を前にカメラを構えるところで、この映画は終わりを迎えます。

 

カメラを買ったばかりの自分を思い出さずにはいられませんでした。

子犬もおばさんもおまわりさんも、どれも過ぎ行く日常の一部分にすぎません。

でも、カメラがあれば、日常の一部分が偶然そこにあるのではなく、自分が撮るために必然的にそこにあるような気がして。

とにかくファインダーを覗くのが、シャッターを切るのが楽しくて楽しくて仕方がない。

そして、それを共有したいと言ってくれる大好きな人がいる。

ねぇ、祥子ちゃんを見送った後、すぐ後ろに子犬がいたんだよ、おまわりさんがあくびをしてたんだよ。それで、桜がとっても綺麗だったんだよ。

世之助はこんなことを思いながらシャッターを切り続けたんじゃないかなって思うんです。そう思いたい。

そこにいない誰かを思い浮かべながらシャッターを切る瞬間は、本当に本当に純粋で美しい瞬間だなって思うんです。

 

 

 

カメラを買う前と後で、こんなに感情の沸き方が違ってくるなんて自分でも驚きです。

カメラが好きな人、写真を撮るのが好きな人は是非、横道世之介を見てほしいです。

 

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